まぬけなはなし
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保育環境、とりわけ家庭での生活にも言える事なのですが
最近の子どもは昔に比べて遊びにくい環境にあるといわれます。
よく知られているのはサンマ、魚じゃなくて三つの間、三間。
仲間、空間、時間の減少です。放課後の外遊びもサンマがあればこそ。
このことを考えるにつれ、田中周子さんの話を思い出します。
田中周子(たなかひろこ)さんはセーター人形の産みの親である
おもちゃ作家さんです。僕がおもちゃ会議に参加しているときに
色々と素晴らしいお話を聞かせて下さった人生の師匠でもあります。
まさにマスターオブライフ。
現在は子どもの生活・手仕事をテーマに執筆、講演・ワークショップ
などの活動や 「子どものためのリビングルーム」を主宰しております。
で、マヌケな話
少子化で遊び仲間が減っていることや、
都市化などによって空き地や広場、路地や広い場所などが
なくなり遊ぶ空間が減っている事、塾や習い事が多くなって
遊ぶ時間自体が減っているという話なのですが、
それに加えてひと手間をかけること、子どもの行動や遊びに
寛大な心を持つ世間すら無くなってきて五間がないと。
田中さんはそこにもう一間つけ加えます、人間です。
ウーマンもメンもなにもヒューマンです。
人間までなくなったら本当にマヌケになっちゃうよと。
どうすんの?
そりゃだれでも六間は避けたいですよね、ガッテン。
ここで腑に落ちたことが、
子どもたちの体力が落ちていることが問題になっているのは
いくつかの間が抜けているからではないかということです。
つまり時間や仲間、場所が減少することです遊ばなくなると、
だんだんと動かない遊びになり(TVや携帯、ゲームなど)、
最後は動けなくなるのが原因ではないかと。
そもそも遊ぶのが好きな子どもは、自然と体を動かしますからね。
マヌケにならないためには遊ぶことが大事なんじゃないかと。
遊ぶことで自然とバランスが戻ってくるかと思います。
大人は放っておいても子どもは遊ぶと思っている節がありますが、
それはある意味正解でもあり不正解でもあります。
だからといって、過保護に遊び方を指導するというのも違います。
大人ができることは一人で遊びこむためのきっかけを作ってあげることです。
こどもたちは大人の「様子」からたくさんのことを学びます。
一緒に遊ぶという手間をかけなけばなりません。
仲間(この場合は大人)、空間、時間、手間は大人が準備できるものです。
例えば、けん玉をやってみたいといったら、買い与えるだけでなく
親も一緒になってやってみる。そうやって子どもと一緒に遊ぶことで
子どもたちは、段々と自ら工夫して自立し遊ぶ楽しさに目覚めていきます。
また、早寝早起きの子どもは活動量が多いことが分かっています。
つまり、遊びの基礎はきちんとした生活習慣があってこそ。
しかしこれは、子ども達だけの問題ではない気がします。
大人も日々時間に追われて生活の中に四つの間を失っている気もします。
私たちももこの四つの間と寛容な心(世間)を大事にして
六間にならないようにしていきたいものです。
Anchang齋藤